SEUVASのサスティナブルな挑戦
廃棄生地をファッションアイテムに再生する
アパレル業界の大きな問題の一つが、生産過程で発生する余剰な生地の廃棄である。「SEUVAS(ソウバス)」では、この問題に立ち向かい、優れた生地を再生して新たなファッションアイテムを生み出すことを当たり前のように行なっている。
「残反」とは、通常は捨てられる運命にある生地のこと。SEUVASではこの残反を買い取り、質の良い生地を再び市場に提供することで、循環型社会への一翼を担っている。アパレルの残反が破棄される現状に危機感を抱いた弊社代表の明石が、この取り組みをスタートさせた。
「残反」から生まれるファッションの魅力
ここ数年でファッションのサイクルが短くなり、トレンドの速さに対応するために生産される衣類が増え続けている。この状況を打破すべく、SEUVASでは柄や色、サイズによってはたった3mの残反も使用し、洋服を製作していく。
残反から生まれるアイテムの魅力は何といっても希少性とクリエイティビティ。サイズや柄、色が揃わない残反から生み出される衣料は、工場の大量生産品とは一線を画す。限られた生地でデザイナーが発揮する想像力が、ユニークでオンリーワンなアイテムを作り出していくのだ。柄や色、サイズによっては生地が限られ、各アイテムがユニークな存在となるため、一つ一つが希少価値を持つのである。
このプロジェクトの中で特に注目すべきなのは、余剰な生地を活用することで、価格を抑えながらも良質な生地を提供できる点。「残反」を活かした洋服の製作は、環境に優しく、質の高い生地を手に入れることができるだけでなく、ファッション業界における新しい価値観の提案へとにつながっていく。
また、この取り組みのもう一つの目標が、地元の活性化。
かつて全国有数の繊維工業地域であった児島地区の産業を盛り返すことを夢見ている。SEUVASをきっかけに地元雇用を創出し、世界に通用する事業の立ち上げを通じ、児島のさらなる発展を目指していく考えだ。「この場所が僕はすごく好きで、地元を活性化させていきたいっていう思いがあるんです。SEUVASをきっかけに世界展開できる事業を立ち上げて、より多くの人が働ける場所をこの児島に作りたい」と、明石は話す。
「今あるもの」を大切にし、余剰なものをリユースすることで、循環する服が生まれる。SEUVASは今後も提供する洋服を通じて、サスティナブルなファッションの普及に貢献していく決意を示していく。私たちの挑戦は、ファッション業界において持続可能性と創造性が共存する未来への一歩となっている。